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【アニメ】『とつぜん!ネコの国 バニパルウィット』という作品について

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『とつぜん!ネコの国 バニパルウィット』(監督なかむらたけし)ってアニメ映画あるんですよ。結構名作だと思うんだけど知名度低いよな~と思うので紹介します。もしかしたら知名度高いかもしれないですが、ご存知の方もご覧いただいて「なんだこいつ」と思っていただければ幸いです。ネタバレ含みます。

 

 ストーリーとか

その辺はwikipediaバニパルウィット 突然!猫の国 - Wikipedia)に載ってるので見てください。簡単に言えば飼い犬が異世界の猫にさらわれたので取り戻し行く小学生兄妹の話です。

 

 世界観のようなもの

もうほとんどアニメ観なくなって久しいので、例えが相当古いけど(そもそもこのアニメ自体20年以上前だけど)、なかむら監督がキャラクターデザインをしたハウ世界名作劇場の『ピーターパンの冒険』の世界観をもっと濃縮させた感じだと思ってもらえればいいと思います。猫の国パニバルウィットもネバーランド的な位置づけだし。ギミックと色彩が溢れるパニバルウィットが魅力的なのは勿論、人間界でのシーンで描かれる90年代半ばの街の姿も非常に魅力的と言って良いと思う。

 

ここからはネタバレ。

 

 

 表と裏

表テーマとして、主人公トリヤスが異世界で怪物化したパパドールを連れ戻し、その間に猫人間のチュチュといい感じになる(ちなみにトリヤスの妹のミーコも猫人間のスットボケといい感じになる)という成長譚&ボーイ・ミーツ・ガールなんだけど、裏のテーマとして悪役たちのストーリーが見え隠れしている。

この物語には、悪役として王女ブブリーナとその右腕の魔法使いドウドウが登場する。傲慢な性格のブブリーナは、過去にその身勝手さにより自分の娘を殺されてしまったことから、老魔法使いレムラムに「触るものすべてが風船のようになってしまう」呪いをかけられている。

 

 欲望と献身

そんなブブリーナは成長しても傲慢な性格は変わることなく、王や女王(つまり両親)や城の衛兵、結婚を申し込みに来た諸国の王子をことごとく風船化させては城の内外で宙に浮かばせ、城の中でバニパルウィットを我が物にする方法を考えている。

そんな城の中でただ一人、風船にされることなく王女にこき使われているのが魔法使いのドウドウ。

実は老魔法使いレムラムはもう一つ呪いをかけていた。それはブブリーナの肖像画を見た者は、ブブリーナに惚れてしまうというものなのだ。肖像画を見たドウドウは師匠の魔法使いサンダダから「魔術師の手」を盗み出してブブリーナに従うようになる。

劇中、ドウドウはブブリーナの全ての命令を(たとえ戦闘中であろうと)こなそうとするが、ブブリーナに対しては何も求めることはしない。

全てを欲しがるブブリーナとそんな王女に全てを捧げようとする魔法使いドウドウ。

肖像画の呪いについて、老魔法使いレムラムの何か考えがあるのではないかと思わせるシーンがあるが、その本意はつかめないまま終わるが、この二つの呪いをブブリーナとドウドウが乗り越えることが出来るのか、それがまたもう一つの成長の物語と言っても良いだろう。

 

 愛と距離

そしてこのアニメのもう一つの裏テーマが「距離」だ。

愛する娘と死別した老魔法使い。

触るものすべてが風船になってしまう王女と、その王女に恋焦がれ献身的に付き従うも決して触れることが出来ない魔法使い。

そして、唐突に(本当に唐突に)挿入される、決して報われることのない悲恋、時の止まった昔ばなしとしての「ネコとネズミ」。

そもそも時間の流れが大幅に違う世界に住む者どうしのトリヤス兄妹とバニパルウィットの住人達(バニパルウィットの1日は人間界の3分でしかない)

 このように『バニパルウィット』には、愛する者同士の埋めがたい距離や障害を描いている。おそらく「ネコとネズミ」はそのモチーフとして挿入されたのだろう。

 

 サイコー

とまあここまでつらつら書いてきたが、そんなこと考えなくても単純に冒険活劇として面白いし、上映時間も80分程度なので肩ひじ張らずにお手軽に観ることが出来る。

退屈とは無縁の国、バニパルウィットで巻き起こる次の騒動とは?トリヤスとチュチュ、ブブリーナとドウドウの恋の行方は?肖像画の呪いの真意とは?「ネコとネズミ」の悲しい昔ばなしの真実とは?

そして、バニパルウィットの地下で眠り続ける”眠り猫”の秘密とは・・・

すべては続編で明かされ・・・ない!そもそも!続編が!ない!!

 

こんなサイコーなアニメが!続編も出ることなく!しかも国内ではDVD化がされてない!海外では『catnapped!』というタイトルでDVD化されたものの、廃盤になっておりAmazonでは中古でも1万円以上の値がついている状況。なんとかDVD化してほしいものだと思いつつ、自分は特に何もしていない状況なので、興味ある方はどうにかしてね。(他に絵本と小説が出ているけど未見)

 あ、それと、このアニメ、キャラクターの顔が軒並み可愛くないのがまたサイコーすぎるんですよねえ。

 

(17.1.19追記)

読み返したけど、これ紹介でも何でもないな。

(17.2.8追記)

「パニバルウィット」表記の箇所がありますが、それで検索する人もいると思うのでそのままにしておきます。

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