過渡期

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宮本常一と写真』を読んでいる。

民俗学者宮本常一が日本各地で撮った写真が掲載されている本だ。

その中に、茅葺き屋根の家屋に板葺き屋根部分を増築した家屋の写真が載っている。

茅葺き屋根の家」は見たことがある。歴史的な遺産だし観光地にもなるので、メディアにも取り上げられて価値あるものとして紹介されている。

だけど、茅葺き屋根に板葺きの屋根が強引に連結されたような家屋は見たことがない気がする。見たことない気がするが、おそらくこれも日本中にあったのだろうと思う。住宅事情の変遷や個人の事情で造られ、人々はそこで生活していたのだろう。けれども、誰もそこに価値を感じなかったので保護されることなく消えていった。きれいで現代的な家屋に建て替えたのかもしれない。

古いもの、新しいものに価値があるのは分かる。だけどその過渡期にあったものたちは時代の徒花として消えていくだけなのだろうか。

今、目の前にあるものたちも、始めから何もなかったように消えていくのだろうか。

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