【アニメ】『この世界の片隅に』という作品について

ネタバレあります。

(前置き)

鳥取県内での公開は年を明けて1/14から。それまでひたすら情報をシャットアウトした上、レビュー等も一切見なかった(今も見てない)ので、多分ここに書いてあることも誰かが言ってるかもしれない。なので目新しい意見はないと思います。

(前置き終わり)

良かった。本当に良かった。同じ映画を映画館で3回観たのは初めてだ。

観る度に新たな発見があるし、今もたまに仕事中に思い出しては涙ぐんでしまって、眠そうなフリをしてしまう。2時間以上あるのにずっと集中して観ることが出来る。

この映画、印象に残ったシーンは本当にたくさんある。

幼馴染が嫁ぎ先に泊まりに来るシーン、終戦直後の感情が爆発するシーン、刈谷さんが服を売るシーン・・・

その中で一つ選ぶとするならば、映画の最終盤に登場するもう一つの「この世界の片隅に」ある家族のシーンだ。

それまで(すずの右手を除いて)直接的に身体の被害を描くことが少なかったこの映画が、一転して直接的に原爆の被害を描いている。そこに描かれるのは、過去の原爆被害を描いた作品に出てきた「地獄」そのものだ。

確かに『この世界の片隅に』はそれまでの戦争作品と違って、戦時中の日常をリアルに丹念に描いてきた。それまで丹念に積み上げられてきた「日常」、その地続きのリアルとしてこの「地獄」が存在したのだ。

父親は戦死し、母親も原爆で右半身に重傷を負って(ガラスが突き刺さり、右手を失っている)、子ども連れて彷徨った末、事切れてしまう。子どもは孤児として原爆で焼け焦げた街を彷徨い歩く。失うものもあったが、それでも日々を明るく生きていこうとするすずたちとは対称的ともいえる「全てが失われようとしている」家族。その家族がすずの失われた右手とリンクすることにより、再びこの世界に生きていく場所を得る。

失った右手によって、すず達は新たな家族を得、失われかけた家族は自分たちの子どもが生きていく場所を得た。それは失った右手、そして晴海に対しての一つ救い(と言っていいのか)のようなもだったんじゃないのだろうか。

 

鳥取シネマのツイッターによると2月いっぱいは上映予定らしい。(サイト見たら今週末から一日一回上映になってた)

もう1回は観に行きたいと思う。

ちなみに原作は知人に貸したきり返ってきません。

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この世界の夜得割